2010年03月19日

土星の環、不安定で激変の状態と判明!!

 土星の環は安定した状態が続き変化に乏しいというのが長年の定説だったが、実態は違うようだ。美しいが面白味に欠けるというイメージはいまや過去の話となった。「Science」誌最新号に掲載された2つの新しい研究によると、氷の粒子で構成される土星の環を過去最高の精度でとらえたところ、従来のイメージとは大きく異なり、激しく躍動する姿が写し出されていたという。
 NASAの土星探査機カッシーニがさまざまな波長や新たな周波数を用いて撮影した土星の環のクローズアップ画像から、数々の驚くべき新事実が明らかになった。慌ただしく変化する環の配列や、高速で衝突する小衛星のほか、酸素の大気が存在することも判明した。
 今回発表された研究の共著者で、カリフォルニア州モフェットフィールドにあるNASAのエイムズ研究センターの惑星学者ジェフ・カッジ(Jeff Cuzzi)氏は次のように解説する。「土星の環は巨大な結晶構造で、A環の軌道半径は地球と月の距離の約3分の1に相当する。しかも、その一部は1週間から1カ月というペースで変化を遂げている。例えば最も密度が高いA環とB環の端部は、激しく波打つ水面のように大きく揺らいでいることがわかった」。
 同氏によれば、このように激しく歪む端部こそ、「土星の環は液体に近い」という新発見の確かな証拠であるという。
 また、最外周に位置する細いF環についても新発見があった。直径数キロの未知の小衛星がF環内部に数十個存在し、まるで遊園地のバンパー・カーのように激しく衝突しながら飛び回っているという。「小衛星の正体や起源はいまのところ不明だが、あちこち衝突しながら内部を暴走しているようだ。“安定している”とはとても言えない」とカッジ氏はコメントする。
 さらに今回は、環の周辺に漂うガスの主成分が酸素であるという驚きの事実も明らかになった。「水分子(H2O)だろうとは考えられていた。しかし、その分解産物である水素(H)とヒドロキシ基(OH)を酸素に変える化学反応が環系で起こるとは予想外だった」とカッジ氏は話す。
 土星の一部の環には赤い斑点があり、その発生理由は昔から謎とされてきたが、今回の発見で議論に終止符が打たれるかもしれない。「環を構成する岩石中の金属が酸化し、赤みを帯びるのではないか。いわゆる“錆”が生じているのだろう」と同氏は解説する。
 カッシーニ担当チームの一員で、今回発表されたもう一方の研究の共著者であるコロラド大学ボルダー校のラリー・エスポジート氏は、「土星の環は原始惑星系円盤によく似ている」と話す。原始惑星系円盤とは、若い恒星の周囲を取り巻くちりや岩石から成る円盤のことで、惑星誕生の場と考えられている。
 土星の環系が実際に惑星の形成現場になり得るとしたら、原始惑星系円盤に対する従来の見方を変える必要が出てくるかもしれない。「今回の画像から、原始惑星系円盤では想定外の構造や現象を確認できた」とエスポジート氏は話す。
 その1つが集積現象であり、同氏によれば、土星の周囲で確認された最も驚くべき事象の1つだという。カッシーニの画像を分析したところ、複数の小さな氷岩石が重力の影響で一時的に結合し、直径約10メートルの巨大な塊を形成していることが明らかになった。
 エスポジート氏はこう説明する。「この発見から判断して、密度が高いA環やB環内の力学は想像をはるかに超えて複雑であり、質量も推定より大きいと考えられる。環の実際の質量が判明すれば、その起源についても何かわかるかもしれない」。
 しかし正確な数値の入手は7年ほど待つことになるだろう。カッシーニは2017年に任期を終え、土星に廃棄される予定だが、表面へ急降下する際に環の質量を計測することになっている。
 エスポジート氏は次のように話を締めくくった。「土星の環の起源や形成時期はカッシーニの働きで謎解きが進んでいるが、いまだ正確な答えは出ていない。なんとか解明したいと思っている」。
Brian Handwerk for National Geographic News
ラベル:土星 リング
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2010年03月18日

土星に太陽系最大の環がある?

 土星に太陽系最大の環を発見したとの研究結果が発表された。もしこの環を地球から肉眼で見ることができたら、その直径は満月の2倍にも見えるという。
 これまで最も大きい惑星の環は土星のE環だった。E環の外縁は土星から約64万キロ離れたところをぐるりと囲んでいる。一方、新たに発見された環はさらに20倍ほど土星から離れており、土星から外縁までの距離は約1300万キロにも及ぶ。
 この環は、土星の外周部を公転する衛星「フェーベ」に彗星などの残骸が衝突したときに舞い上がった微小な粒子からできているとみられる。
 これまで発見されなかったのは、フェーベと同じ炭素に富む暗い物質で構成されているためだ。ただし、光の反射率が低くても、温度は相対的に高い。今年2月、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が赤外線観測で放射熱をとらえたことが今回の発見につながった。
 研究に参加したメリーランド大学のダグラス・ハミルトン氏は、「日が当たる場所に暗い物体があれば、その物体は温まり、熱を放出する。日なたに置かれた黒い車と同じだ」と話す。
 フェーベの近くにある別の衛星「イアペトゥス」は、表面が明るい部分と暗い部分に明確に分かれている。その原因についてはこれまで長らく謎とされてきた。だが、環の発見でこの謎も解明されそうだ。
 クルミのような形をしたイアペトゥスは、半分が氷でできていて明るい。残りの半分はすすのような物質で覆われているが、その正体はわかっていない。研究チームは、この未知の物質が新たに発見された環の暗い粒子であると推測している。
 明暗がはっきり分かれているのは偶然ではない。イアペトゥスは重力の影響で、公転周期と自転周期が同期している。そのため、地球の月と同じように、イアペトゥスも常に同じ面を土星に向けている。つまり、土星の軌道を周回するイアペトゥスの暗い面には、新たに発見された環の粒子が絶えず降り注いでいるというわけだ。
 研究チームのハミルトン氏は、「車のフロントガラスに虫がぶつかるように、イアペトゥスの表側に暗い物質が衝突している」と説明した。
 新たな土星の環に関する研究結果は、昨年10月8日発行の「Nature」誌で発表されている。
New Saturn ring picture courtesy NASA/JPL-Caltech/Keck
ラベル:土星 リング
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