大和総研の試算によると、中国の10年の名目GDPはドル換算で5兆8895億ドル。日本が中国と肩を並べるには内閣府が2月14日に発表する10年10〜12月期の名目GDPが前期比27%増になる必要があり、「10年の日中逆転は確実」になったとのこと。同社の推計では日本の2010年の名目GDPは5兆4778億ドルで、中国を約4000億ドル下回る。
中国の高成長の原動力となったのは、公共事業を柱とする投資とのこと。都市部の固定資産投資(設備投資や建設投資の合計)は前年比24.5%増。伸び率は09年の30.4%を下回ったが、引き続き高水準を保った。
2010年3月までは成長を押し下げる要因だった外需も、年央から急速に回復している。2010年の輸出額は31.3%増の1兆5779億ドルに達し、2009年に続きドイツを抜いて世界一になったもよう。
2010年の社会消費品小売総額(小売売上高)は18.4%増。新車販売台数が32.4%増の1806万台と2年連続で世界一になるなど、個人消費は堅調に推移した。ただGDPに占める消費の割合は4割弱にとどまり、7割の米国、5割強の日本に比べなお小さい。
しかしながら、1人当たりGDPでみると、中国はなお日本の10分の1程度にとどまる。大和総研の試算や国際通貨基金(IMF)の統計を基に推計すると、2010年の日本の1人当たりGDPが4万2431ドルであるのに対し、中国は4412ドル。日本が高度経済成長期を迎えた1960年代に相当する水準といえる。