前原誠司外相は6日、政治資金規正法が禁止している外国人からの政治献金を受けとっていた問題で責任を取って辞任を表明した。1月に発足した菅再改造内閣で閣僚の辞任は初めて。重要閣僚の辞任は首相の政権運営に大きな打撃を与えることとなった。菅直人首相の一層の求心力低下は避けられず、政局は緊迫局面を迎えた。
同日夜、首相公邸で首相と1時間45分会談し、辞任の意向を伝え、首相も了承した。前原氏は会談後の記者会見で、辞任の理由を「外相の職にある政治家が外国人から献金を受けていた事実は重く受け止めざるを得ない」と説明。「私の問題で国会審議を停滞させるわけにはいかない」と語った。
「ポスト菅」の有力候補とも目されていただけに、民主党の衆院解散・総選挙のシナリオにも波及するのは間違いない。前原氏の辞任で野党は勢いづき、野党は専業主婦らの年金救済措置問題で細川律夫厚生労働相らの問責決議案を検討、攻勢を一気に強める構えの様子。
外国人献金問題は前原氏が4日の参院予算委員会で自民党の西田昌司氏からの追及を受けて表面化した。前原氏は6日の会見で、在日外国人から2005〜08年と10年にそれぞれ5万円ずつ計25万円の寄付を受けていたことを明らかにした。
来年度予算案は参院で審議入りしたが、赤字国債発行法案など予算関連法案のメドは立っていない。民主党の輿石東参院議員会長は6日のNHK番組で「国会の重大な時期だ。一日も早くけじめをつける必要がある」と語った。
前原氏は政権交代後の09年9月、鳩山由紀夫内閣で国土交通相に就任し、10年6月に発足した菅内閣でも続投。同年9月の内閣改造で外相に横滑りした。就任から半年足らずの外相辞任は日本外交にも悪影響を与えるだろう。これからというときにほんとうに情けない。
posted by ダンケルク at 00:05|
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